雑記帳


とある英雄に関する考察

『歴史』とは戦争の歴史。戦争に勝ち、覇者となった人物の考察。

歴史上、最悪の人物を挙げてください

あなたなら誰が浮かびますか? ヒトラー? スターリン? 歴史に詳しい人は[殷]の紂王やら[ローマ帝国]のネロやら[フン族]のアッティラなど、いろいろ浮かびすぎで悩みどころかもしれないですね。[秦]の始皇帝、なんてのもありかもしれません。そう、[秦]といえば・・・

項羽と劉邦

中国の[秦]王朝の末期に2人の英雄が登場しました。「項羽」と「劉邦」です。

項羽は戦争の天才。猛将で百戦すれば百勝するとまで言われた勇者で、戦略や智謀にも長けた万能な人物だったといわれています。ただし自分が万能すぎるため部下には一方的に命令するだけであり、周りから慕われていたという話はあまり聞きません。また敵に対しては冷酷極まりなく、敵の秦兵20万人を生き埋めにしたという逸話があります。

対する劉邦はそれほど何かに長けていたわけではなく、元々ただのチンピラでした。しかし、不思議な人間的な魅力をもち、多くの逸材が劉邦のもとに集まったとされています。また適材適所を心得えており、人を使うのが上手だったという話です。

結局、勝ったのは「劉邦」でした。これに関して『劉邦の人望の勝利』だとか『チームプレーが重要という教訓』などという評価を耳にします。

大嘘です

「項羽」は「劉邦」に勝ち続けました。しかし、最後に大逆転が起こります。劣勢な劉邦が、項羽に講和条約を申し入れます。優勢だった項羽は、なぜかこれを聞き入れてしまいます。講和条約が交され、軍を国へ引き上げて帰る途中・・・項羽の背後から劉邦の軍勢が攻めかかります。油断していた項羽の軍は総崩れ。

勝負は決まりました。

講和条約など無意味

「項羽は冷徹な奴だったし、劉邦が天下を取った方が民衆にとってよいのでは?」 確かに、そうかもしれません。しかし劉邦は 「講和条約は全く無意味」 「どんなド汚い手を使おうと、勝つことが全て」であることを歴史的に証明してしまいました。現代風にいうならば・・・「いきなりミサイル打ち込もうが水爆使おうが関係ない。要は勝てばよいのだ!」ってとこでしょうか。長い歴史の中でも、負の遺産としてこれ以上のものはないと確信しています。