NVIDIAのGeforceは一時期のリネームラッシュのせいで製品の説明が難しい。
ここではメジャーな製品をピックアップして紹介する。
例えば「G80コア」といった場合にはハイエンドの8800Ultra、8800GTX、8800GTSを指し、ミドルレンジの8600GTSはG84コアに分類される。しかしアーキテクチャとしては同一であるため、ここではまとめてG8xコアと呼ぶ。
基本的に1番大きな位の数字が「世代」を示し、2番目の数字がランクを示す。また、数字の後にアルファベットが入ることもある。例えば Geforce 7900GTX であれば、Geforce7世代、ハイエンド(9)であることを示している。また最後のアルファベットであるが、
Ultra > GTX > GTS > GT > (無印)
という順に性能評価されている。
G8xコアの改良版にして完成形と言われるコア。後継G200系のミドルレンジが不調だったこと、その次の世代「fermi」が大幅に遅れたことが相余って非常に長い期間活躍した。ただ、その際に製品名を変えて新製品としてリリースしなおす「リネーム」を繰り返したため、ラインナップが混乱を極めている。
この世代からGPGPUを強く意識し、それ専用の「Tesla」というGPU計算用カードを主力におく形で開発を行っている。ハイエンドは発熱が凄まじいが、相変わらず比類ない圧倒的な性能。ミドルレンジはGT240のリリースが遅れた上に、性能も前世代ミドルの9600GTと互角といったところであまり振るわない。ローエンドはGT220が比較的良く、GT210は「オンボよりやや上」程度でイマイチ。Geforce 200系ミドルとしては他にGTS250があるものの、これは9800GTX+のリネームであるため除外する。
"Fermi"の名で知られていたコア。前世代よりさらにGPGPUを重視した設計になっている。一方グラフィック方面もDirectX11に対応し、機能・性能ともに上がっている。しかし消費電力がとてつもないことになっており、特にGTX480は300Wを消費するモンスターである。扱いづらさからハイエンド製品はマニア向けと言わざるを得ないが、アッパーミドルのGTX460は性能・価格・消費電力などのバランスが良く人気があった。なお、1GBと768MB版の違いは単純なメモリ容量の差だけでなく、バス幅やROPユニットなども削減されているためほぼ別物である。最高性能を求めるようなアーキテクチャ故、ミドルレンジ〜ローエンド帯の製品は地味な印象を受けるものの、GT440やGT430なども従来のミドルレンジと比べれば互角以上の性能を発揮してくれるだろう。
Geforce 400世代からわずか半年で改良を行い500系をリリースしたことは、NVIDIAの底力を示している。特にハイエンドのGTX580はGTX480に比べて、消費電力が減る一方で性能が1−2割アップという進化を果たした。一部では"真Fermi(これが本来の姿)"などと噂されたほどである。GTX590はデュアルGPUで、GTX580がシングル最強のカードである。なお、型番にTiブランドが復活しているのが興味深い。
電力あたりのパフォーマンスが上昇し、かなり扱いやすくなった。ようやくRadeonとも勝負になるか?ミドル以下の製品に関し、一部OEM版に性能の異なるものが混入しているとの情報あり。
従来の pixel shader, vertex shader を廃止し、2種類のユニットを統合したstreaming processorを搭載。ハイエンドは圧倒的で他を寄せ付けない性能を誇ったが、ミドルレンジがやや不調で旧製品のGeforce7900GSが根強く残っていた。またローエンドに関しては、8400GSが2011年現在、未だ店頭に残るという長寿ぶりを見せている。それほど性能がいいわけではないはずだが・・・