科学雑話


宇宙生命と交信できる確率

この銀河系内に通信可能な文明がどれくらい存在するだろうか? その昔、無謀にも式を立てて計算しようとした人がいた・・・

人類の夢ともいえる宇宙生命との交信。その可能性は未知数であるが、それを無理やり定式化したのが『ドレイクの方程式』である。『方程式』などと偉そうな名前がついているが、ただの掛け算である。しかも、その数値は全部勝手に決めてくださいという、とてつもなくいい加減な代物。いろんな人が勝手に数値を決めて計算してるようなので、自分でも試しにやってみようという企画。

これを見て難しそうと感じるのは錯覚で、ただの確率の掛け算です。天文学からすでにわかっている値もあるらしいので、そこはネットで調べることします。わかっていない部分は、好き勝手に決めてしまいます。

一年当たりに生成される恒星の数。ネットで調べたところ、10個と出ました。

R*=10

恒星が惑星を持つ割合は・・・これもネット検索。大雑把に1個と出ました。

fp=1

惑星のうちが、生命に適しているものの割合・・・? 太陽系以外のの惑星というのは観測が難しく、意外とわかっていないのが現状。太陽系内の惑星を見ていると、地球よりほんの少し条件が違うだけで環境は大きく変わっているのがよくわかる。水のほかにもいくつか必須の物質もあり。それらを全部満たさねばならないとすると・・・1/1000にしておこう。

ne=1/1000

条件が揃った時、生命が発生する確率。これが全てを決します。そして全くわかっていません。サンプルが地球しかないので仕方ないですね。そんな状態でよくも「宇宙生命と交信できる確率を計算する方程式」なんて言い出したものです。10^(-100)程度でしょうか。

fl=10^(-100)

生命が知的生物に進化する確率・・・と。生物の性質上、進化は必然なので意外と高いと思われます。しかし・・・何をもって「知的生物」と呼ぶのかよくわからんです。魚ぐらいでもいいんでしょうかね? 1/1000にしますね。

fi=1/1000

次は知的生物が文明を持つ確率。「知的生物なら文明ぐらい持つだろ」は、早とちり。「魚も知的生物」と定義したわけだが、そうすると地上には無数の「知的生物」が存在していることになる。しかし、文明を持ったのは、その中のただ1種だけである。これから進化する可能性も考慮したうえで・・・10^(-4)ぐらいにしておきましょう。

fc=10^(-4)

最後に文明の寿命・・・と。まさに、我々の文明がどれほど続くと予想できるか、という問題。本来 悲観的なんですが、ここでは敢えて楽観して1000年としましょう。 L=1000

さあ、計算してみましょうか・・・するまでもないですね。一応してみますか?

N=10×1×(1/1000)×10^(-100)×(1/1000)×10^(-4)×1000
=10^(-106)
=0.0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000001

いかがでしょうか。とてつもなく小さいとはいえ、有限な値である限りは希望を持ってもいいのかもしれませんね。